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特集

MONOLITHの「CosmoniteBlack(コズモナイトブラック)」

2023/12/28
MONOLITHのコンセプトカラーであるBLACKから派生させた、限りなくNAVYに近いBLACK「CosmoniteBlack」。

クロード・モネ、ピエール=オーギュスト・ルノワール、ポール・セザンヌ、カミーユ・ピサロ・・・
19世紀フランスでは絵画において数々の印象派の巨匠たちが頭角を現しました。中でもクロード・モネに屋内で描くことを脱するきっかけを与えた「バルビゾン派(外光派)」の画家であるウジェーヌ・ブーダンは、印象派の画家たちに多大な影響を与え’空の王者’と言われたほど空を描かせたら右に出る者はいない存在でした。中でも、ブーダンの代表作の一つである「トルーヴィルの浜」の空は、水色にも灰色にも緑色にもはたまた黄色にも、見れば見るほど様々な色に見えてくる不思議な色合いを表現しています。空を見上げて実際にこの目で雲が何色なのかをじっと観察すると、それは単に白色や灰色かと思えば決してそうではなく、そこには緑色も黄色もピンクのような色も見えてきます。空は私たちが連想するよりも何層にも色が重なり合っていて、それをブーダンを始めとしたかつての表現者たちは様々な手法で、あるものは写実的に、あるものは印象的に表現したのです。その表現はもちろん朝や昼の空だけでなく夜空や宇宙にまで及び、ジャン=フランソワ・ミレーの代表作「星の夜」で描かれた夜空は黒でもなく青でもなく緑でもなく、その無限の広がりと未知の領域へと繋がる空間を感じさせる見事な色を表現しています。19世紀後期~20世紀に入り絵画の世界では表現の多様化が進み、ゴッホやシャガールといったポスト印象派の画家たちもさらに自由に宇宙空間や夜空を表現しています。
どの時代でも表現者たちは宇宙や夜空が持つ神秘的で妖しい魅力に製作意欲を掻き立たされていたのかもしれません。

MONOLITHでは兼ねてより新カラーとして「ネイビー」を製作したいという想いがありました。しかし、ただの「ネイビー」ではなく宇宙や夜空が持つ全てを包括するような圧倒的な強さを持った深い色で、ブーダンのように何層も色を重ねたような、ミレーのような無限に広がる空間を感じさせる色が作れたらと考えていました。
実際に製作過程においては、工場に協力を得ながら何度も何度も染色を試し、やっと辿り着いたと思った色で試作の生地を上げてみると、まだその色に納得することができず、そこからまた工場に協力してもらいようやく完成したのが、今回ラインナップに加わった限りなくネイビーに近い宇宙空間のような黒「CosmoniteBlack(コズモナイトブラック)」です。圧倒的な強さを持った色だけに、ブラックのコーディネートにも合わせることができ、「黒」ではないためベージュやブラウンなどにも合わせられる柔和な色でもあります。
渾身の新カラーですのでMONOLITHの直営店や全国のMONOLITH取り扱い店のお近くにお越しの際は是非お立ち寄り頂き、その目で既存カラーの「ブラック」と見比べて頂けたらと思います。

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